howread

見積書の見方

塗装会社選びに失敗しないために

~お見積り書比較のポイント~

外壁塗装を考えている方には、必ず「相見積り」を取ることをおすすめします。
理想は最低3社。
2社だけでは比較材料が足りず、見落としが出やすくなります。
逆に5社以上になると情報が多すぎて迷い、「価格だけ」で判断してしまったり、「2番目に安い会社」に決めるなど、安易な選択をしがちです。
これが塗装会社選びに失敗してしまう大きな原因になるのです。

01概算の費用相場

工事全体の費用目安:30坪2階建ての住宅(足場代や洗浄、雨どいの塗装工事もすべて含む)の場合

塗料の種類 耐用年数 費用相場
ウレタン 8~10年 70~110万円
シリコン 10~15年 80~125万円
フッ素 15~20年 90~140万円
無機 20~25年 110~165万円

まずは相場感をつかむことが大切です

選ぶ塗料や施工内容によって費用は前後しますが、たとえば30坪の2階建て住宅の場合、一般的な目安は100万円前後です。
(足場設置・高圧洗浄・雨どい塗装など、付帯工事もすべて含めた金額です。)
これより極端に高い、または極端に安い場合は要注意。

相場から逸脱している場合、一部工事が異常に高かったり、逆に必要な工事が見積もりから抜け落ちている可能性があります。この段階では、各社の特徴や見積もり内容をしっかり比較し、見極めることが大切です。

02各工事の㎡単価

外壁塗装は「塗るだけ」ではありません!

外壁塗装工事には、実はたくさんの工程が含まれています。
安全に作業するための「仮設足場」の設置、壁の汚れを落とすための「高圧洗浄」、塗装しない部分を保護するための「養生」、さらに防水性能を高める「コーキング作業」など、事前準備だけでも多岐にわたります。
また、雨どいや破風板などの「付帯部塗装」もまとめて施工することで、後々別々に工事するよりも費用を抑えることが可能です。

仮設足場 700~900円/㎡
メッシュシート 100~200円/㎡
高圧洗浄 200~300円/㎡
養生 300~500円/㎡
コーキング打ち替え 800~1,200円/m
コーキング増し打ち 700~1,000円/m
破風板 800~1,400円/m
軒天 1,000~1,800円/㎡
雨戸・戸袋 2,000~3,500円/枚
シャッターBOX 2,000~3,000円/個
露除け・出窓天板 2,000~3,000円/個
雨樋 1,000~1,800円/m
水切り板金 300~800円/m
廃棄物処理 20,000~40,000円/一式
材料運搬、交通費 20,000~40,000円/一式

業者ごとの特徴が各項目に現れるため、単価をしっかり比較することが大切です。
また、業者によっては数量を過剰に見積もって単価を安く見せることがありますので、極端な価格差がある場合は注意が必要です。

03「一式・坪」は要注意!単位は「㎡」で出しているか?

OK

業者が㎡数を詳細に拾っている場合、工事項目が明確になり、追加費用が発生しにくく、お客様自身も内容を理解しやすくなります。工事完了後の確認も簡単です。

NG

坪数や一式での表記だと工事項目が不明確になり、口頭でのやり取りが反映されにくくなります。工事後に内容を証明できず、トラブル解決が難しくなることもあります。

後悔しやすい項目

順位 項目
1位 言ったことが反映されず、追加費用で揉める
2位 工事がしっかり感じられず、職人とコミュニケーション不足
3位 色選びに後悔
4位 価格が他の家より高く感じる
5位 業者の倒産でアフターフォローがない

04塗料名の具体的な記載はあるか?

お見積もりには、使用する塗料のメーカー名や商品名を明確に記載してもらいましょう。
単に「シリコン系塗料」と記載されているだけでは、国内に多くの種類があり、価格や品質に大きな差があるため、正確な金額を判断するのが難しくなります。

シリコン系塗料の違い

オリジナル塗料とは?

施工業者が塗料メーカーから製品の権利を購入し、異なる名前で販売しているもの(OEM)です。
これにより、比較が難しく、価格が高く設定されている場合があります。

05保証期間の記載があるか?

塗装の保証には主に2種類があります。

1.製品保証
これは塗料自体に対する保証で、塗料が外壁に適切に密着せず、剥がれるなどの不具合があった場合に適用されます。
製品保証は通常、塗料メーカーが提供し、保証期間は約3年が一般的です。

2.工事保証
施工品質に関する保証です。もし施工に不備があり、塗装に問題が生じた場合に適用されます。
この保証は、塗装業者独自で設けている場合が多いです。

一般的塗料のグレードと保証年数

塗料の種類 耐用年数 保証期間
ウレタン 8~10年 5~6年
シリコン 10~15年 6~8年
フッ素 15~20年 7~10年
無機 20~25年 8~10年

重要なのは、保証期間が長いからといって必ずしも良い施工や製品を示すわけではない点です。
保証期間が長い理由として、業者の実績や信頼性を確認することが必要です。

施工業者が責任を持ってアフターフォローを行うための保証もあるため、業者の業歴や過去の実績を踏まえて考慮することが重要です。

以上に気を付けてお見積書を比較して下さい

工事内容を一つ一つ確認できるかどうかが重要です。見積書がわかりにくい場合や不明点があれば、遠慮せず業者に確認しましょう。お家を長期間、快適に保つための大切なメンテナンスですので、費用だけでなく内容の詳細にも十分注意を払いましょう。

伊藤建装